“せぼねの曲がり”外科

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脊柱変形側弯症の専門的治療

脊柱変形(側弯症)とは

脊柱変形(側弯症)は、背骨(脊柱)は正常な状態では正面から見たらまっすぐ一直線になり、横から見るとS字の様なカーブをしていますが、様々な原因により3次元に歪んでくる状態を指します。正面から見て本来一直線であるべき背骨(脊柱)が横にカーブしている状態を側弯と呼び、一般的にカーブが10度を超えると何らかの異常が疑われ、20度を超えると装具治療が必要となります。背骨(脊柱)を横から見た時に前後に弯曲した状態を前弯症、後弯症と呼びます。初期段階では痛みもないため気づきにくいのが特徴です。心理的負担やストレスの原因となり、進行すると痛みや神経障害、呼吸器症状を起こす場合があります。
脊柱変形(側弯症)はかつて子供の病気と考えられていました。しかし実際には高齢者を含めたすべての年齢層に起こる重大な疾患となっています。

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群馬脊椎脊髄病センター外来部門は、
脊柱変形(側弯症)の豊富な治療・手術実績がございます

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群馬脊椎脊髄病センター外来部門では側弯症に関する“診断〜装具療法・手術療法〜リハビリテーション”を一貫して専門的に行っている、全国的にも数少ない医療機関のひとつです。側弯症はご家族が気づき整形外科を受診しても、適切な治療が得られず、装具療法で治療可能と思われる初期の段階を逃し、群馬脊椎脊髄病センター外来部門に来院いただいた際には手術しか治療の選択がないこともしばしばありました。
日本側彎症学会の理事を務めるセンター長の清水医師を筆頭に、多くの脊柱変形(側弯症)の治療・手術実績がございますので、豊富な実績にもとづき、お一人おひとりの症状に合わせた専門診療を行ってまいります。

直立検査

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上半身裸か、もしくはブラジャーだけにして観察しましょう。まず真っ直ぐに立った状態で、ウエストライン、肩の高さ、肩甲骨の高さと突出の程度、について、左右差があるかを観察をしましょう。

前屈検査

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次に両手のひらを合わせ、両腕を自然に前に垂らし膝を伸ばしたまま、ゆっくり前屈(お辞儀)させます。この状態で、肩周辺、背中、腰部の順に左右の高さに差があるかどうかを前後から確認してください。

ご家族の方がお子様を観察されたときに、

  • ①肩の高さに左右差がある。
  • ②肩甲骨が左右非対称に出っ張っている。
  • ③ウエストラインが左右非対称である。
  • ④お辞儀(前屈)させたときに、片方の背中が出っ張っている(隆起している)。

以上のような事にお気付きになられたら、側弯症の疑いがあります。すぐ受診下さい。

治療方法

小児~高齢者の方まで専門的な
早期治療をお勧めしています

小児の場合は変形がそれほど目立たない形で進行するため自覚症状もなく、ご家族が気づいてあげることが大切です。変形が軽度の場合は装具療法(コルセット)を行い、進行している場合は手術の適応となります。

成人、特に高齢者の場合は本人に自覚症状があって受診するケースが大半です。小児と異なり成人の場合は、装具療法などの有効な保存治療が適応できない場合が多く、変形を矯正するには手術が必要になる事がほとんどです。痛みが軽度の場合は薬物療法などで症状の緩和を図る場合もあります。

群馬脊椎脊髄病センター外来部門での基本的診断

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初診時に打腱器(ハンマー)やピンで手足の反射や、お腹の皮膚の反射を確認します
側弯のタイプを見極めるきっかけにもなる大事な検査です。

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初診時に打腱器(ハンマー)やピンで手足の反射や、お腹の皮膚の反射を確認します
側弯のタイプを見極めるきっかけにもなる大事な検査です。
レントゲンを立位(立った状態)で撮影します
側弯の角度をより正確に判断するため立位で撮影を行います。
「頭から骨盤の下、太もものあたりまで」1枚のフィルムに背骨全域を撮影をします
側弯を正しく理解するため背骨全域の撮影を行います

群馬脊椎脊髄病センター外来部門では最低限この3つの検査を行い、患者さんの症状により必要な検査を
追加で実施することで、正確な診断による適切な治療を行います

群馬脊椎脊髄病センター外来部門での診療

1.側弯症のタイプを探る

まず側弯症の原因疾患を見極めます。

  • 頭と首の境目に神経の形態異常のあるキアリ奇形等の存在
  • 手足が異常に長い
  • 眼球結膜(白目の部分)が青い
  • 関節が異様に柔らかい
  • 皮膚にたくさんイボみたいなものがあったり、茶色い色素沈着がある

など

これらは側弯症を合併しやすい何らかの基礎疾患(病気)の存在を疑わせるものであり、小児科・循環器科・眼科・神経内科等の他科での精査を必要とします(群馬脊椎脊髄病センター外来部門で他科と連携した診療を行います)。特にそのような異常や過去に開胸術を受けたりされた事も無いなど、明確な原因が思い当たらない側弯症が実はもっとも患者数が多く、それを特発性側弯症と言います。

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2.治療法の選択

もっとも頻度の高い特発性側弯症は、骨(全身)の成長程度とその時の変形(曲がり)を関連づけて考えて、『経過観察』『装具療法』『手術』の適応を判断します。“◯度以上は手術“が必要という話をどこからか聞いて心配されているご家族もおられますが、角度はある程度の目安にはなりますが角度だけでは決められません。装具療法を行う場合は、群馬脊椎脊髄病センター外来部門では大阪医大式装具(OMC装具)を主に用いています。装具は夏場は熱くて装着が厳しいため、夜間帰宅後〜登校直前まで装具を装着する方法(夜間装具療法)を主に行っています。

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3.手術

手術が必要となった場合には、受験の事も考慮し中学3年生と高校3年生の時期をなるべく避けて行うよう心がけています。手術の細かい説明は担当医より納得頂けるまでしっかりと話し合うことを大切にしています。術後は約3週で退院となり、9ヶ月間は体育は禁止と言う方針としています。 

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4.見た目のストレスも軽減できるように

側弯症は背骨が単に横に曲がっているのみならずかなり捻れています。そのために背骨に付着する肋骨や背筋群が左右非対称に位置し、ハンプ(Hump)と呼ばれる背中の出っ張りが目立ち、実際本人やご家族も気にされている方が多くみられます。手術を受けるのであれば、曲がりを直すのみではなく、「ハンプも目立たなくして欲しい」というご希望を強く持っておられる患者さん・ご家族が沢山いらっしゃいます。群馬脊椎脊髄病センター外来部門では約20年ほど前から、このご要望に応えるため、肋骨を形成して美容的にハンプを目立ちにくくする方法を併用しています。

手術を断られてしまった方もご相談ください

「合併症があり手術は難しい」と治療を断られてしまったということをお聞きすることがあります。そのような方もあきらめずに、群馬脊椎脊髄病センター外来部門へご相談ください。
特に体が前に折れ曲がるように変形し、胸やけや嘔吐などがある人は注意が必要です。逆流性食道炎など別の病気と診断されていても、実は背骨の変形が原因という場合があります。
まずは症状の原因をつきとめる検査を丁寧に行い、側弯症であるかどうかの診断、側弯症の場合はどのタイプの側弯症であるか、さらに他の病気が隠れていないかを見極めることが何よりも大切です。

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外来診療の
予約について

群馬脊椎脊髄病センター外来部門は

完全予約制となります。
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群馬脊椎脊髄病センター外来部門では、患者さんお一人お一人のお悩みをしっかりと伺い診療を行うため、完全予約制となっております。ご理解いただきますようお願い申し上げます。

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診療時間
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土曜日/午前8:30〜午前11:30
診療時間
午前(8:00〜11:30) × ×
午後(2:00〜4:30) × × × × ×

※土曜日は午前11:30まで

休診日
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